風の振れに関係なく、レース海面には艇団の影響で必ずリフトしている場所、必ずヘッダーしている場所、強い場所、弱い場所が存在します。 |
一艇一艇のアップウォッシュの効果により艇団直前の風はリフトします。
たとえばスタート直後にスターボ艇団が密集して並んでいる状態では、艇団のすぐ前の風が右に振っています。ですからスタートが成功し、バウ先を艇団から前に出してこのリフトに突っ込めると、リフトを受けて上っていけます。
一方でスターボ艇団のぎりぎり前をかすめるようにポートで通っていくと、ヘッダーを受け続けることになります。下スタートしたあとほんのちょっと下に振ったので艇団の前を切りに行ったら、ずーっとスターボ艇のぎりぎり前を切り続けて、結局上一スタートの船と並んじゃう、ということがたまにあります。アップウォッシュの影響範囲は短く、スターボ艇団との距離が少しでも離れていれば関係ありません。またかなりの艇数が密集して並んでいなければ影響ありません。そして艇団の前を横断して反対サイドに出たいなら、気にせず行くべきです。あくまで、ほんのちょっとのヘッダーで艇団のぎりっぎり前をなんとか切りながら貯金しにいこうとしても、全然貯金にならないって話です。
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ダウンウォッシュにより艇団の後方はヘッダーしてます。
スタートで失敗してほんの少し下がると角度取れずに苦しいのはこのせいです。
逆にこのダウンウォッシュの中を、スターボ艇団のスターンぎりぎりをポートで切っていく船はリフトを受けるので、ブランケにもかかわらず艇団に置いていかれず、うまく隙間を見つけてスターボに返せば第一線に復帰できることがあります。これを成功させるポイントは、スタート失敗を悟ったら艇団から遅れる前にさっさとポートに返すこと。
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水の流れと同じく、風は流れやすいところを選んで流れます。
密集した艇団があると、風はそれを避けて左右に分かれて流れようとします。ですから艇団の端を、艇団に背を向けて走っている船にはリフトが入ります。また艇団中央はラルになります。艇団の端は通常の風に加え、中央を避けて端に流れてきた風が合わさりブローになります。この効果は、470ではオンデッキ以下の風であらわれます。スタート後に艇団の端がぐんぐん伸びながらそこだけリフトが入ることがよくあります。微風ではスタートラインに艇団が密集するとそこを風がよけて通るため、スタート直前~直後はライン付近全体がラルになります。ラインから離れすぎていて戻れなくなったり、加速にかかる時間を読み違えがちです。
艇団後方は、マストの高さの数倍から数十倍(微風時)にわたってラルになります。艇団のブランケットはラルに加え風向も不安定で、入ってしまうと確実に遅れます。スタートした艇団の後ろ、上マークで密集した艇団の風下、上マーク回航後のリーチングのスピン艇団、その他どんな艇団のブランケットも相当な威力です。マストの高さの10倍程度距離が離れていれば問題ないので、フリーなどで艇団の下を切っていくときはうまく距離をとりましょう。
たとえ艇団に小さな隙間があっても、風はその隙間もふくめて艇団全体を迂回するので、隙間から吹いてくる風も弱くなっています。(実際は、隙間がない壁より、生垣のように隙間がある障害物のほうがブランケットの影響範囲が大きいらしいです。)
ちうわけでマジな話、
ブランケット さけるに越した 事はなし
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