4.角度がとれませーん(泣)〜空論編〜

高さ? 角度? リーウェイ?

 

よく聞く悩みです。僕もこないだまですぐに上り殺されてました。

ここではまず、角度とリーウェイを分けます。

 

バウの向いてる向きが角度です。慣れたスキッパーなら、他の船と自艇の数度の角度の差が一目でわかるはずです。じゃないとレース中、他の船の走りを見てそこにリフトが入ってるのかヘッダーが入ってるのか分かりませんから。

リーウェイは横流れの量です。バウがむいてる向きは一緒なのに、下の船にくっついていってしまう場合はリーウェイが多いということです。

 

先にまとめると、

角度=アップウォッシュ-エントリーアングル

リーウェイ=-ウェザーヘルム

です。

 

角度

 

アップウォッシュって知ってますか?

セールの風下側は圧力が低く、風上側は高いです。風下側の圧力が低いので、セールに前から流れ込む風はセールの風下側に吸い寄せられ、風下側により多く流れ込みます。その結果、図のようにセールの前方の風はリフトします。この、セールが前方の風をリフトさせる効果がアップウォッシュです。(ちなみにセールは後方の風をヘッダーさせますが、これはダウンウォッシュです。バックウィンドとかホープレスポジションとか言いますね。) セール前方の風がリフトするわけですから、アップウォッシュが強いほど角度がとれます。

アップウォッシュは、セールの風上側と風下側の圧力差が大きいほど強くなります。圧力差はそもそもセールが風を曲げることに起因するので、セールが風を多く曲げるほどアップウォッシュも強くなります。具体的にいうと、メインのリーチを閉じる、セールのカーブを増す、ブームを真ん中までしっかり引き込む、レーキを起こすなどです。

ヨットを始めたばかりの人が、テルテールは流れてるのにものすごい勢いで落ちていくのは、メインかジブのリーチがゆるいか、ブームが風下に落ちてるせいです。

 

リーウェイ

 

センターとラダーの揚力が船のリーウェイをとめています。センターの揚力はコントロールできません。

ティラーを引くほど、ラダーが水流に対して斜めになってラダーの揚力が強くなります。ウェザーヘルムが大きいセッティングにすれば、ティラーを引いたまま走れるのでリーウェイが少なくなります。別の言い方をすると、センターだけで船の横流れを止めるより、ラダーにも荷重を分担させたほうがいいということです。

ウェザーヘルムはセンターを前に振るほど強くなります。ウェザーヘルムをどんどん強くしていっても、リーウェイは一定以上は減りません。(ラダーの発生する揚力が増してリーウェイが減ると、センターの発生する揚力が減少するから) ウェザーが強くなるほどスピードは落ちるし、ちょっとしたことでラフして止まりやすくなるので、(ラダーの振り角が正常で、フラットで走ったときに)手でリーヘルムは絶対感じないけどウェザーもたまにしか感じない、というぐらいが適切だと思います。アンヒールが多いとリーヘルムがはいって、ラダーが船を風下に押しリーウェイします。

 

 

3.ウェザーヘルムとラダーの振り角<<トップページ>>5.角度がとれませーん(泣)〜乗り方編〜