強風のレースや練習で、最後までちゃんと船を走らせきるのを目標にした場合、鍛えなくてはいけないのはどこでしょうか?
まずは体幹の筋力です。体幹の筋力は、ヨットで多い腰の故障を予防するためにも必須です。最低でも腹筋、背筋それぞれ20回×3セットできるようになりましょう。
体幹に加え、スキッパーはメントリの持久力が必要です。腕がもたないとクルーが水に浸かりまくり、最後は吹き倒されて沈、てことになります。ところでメントリで疲れる筋肉はどこですか? 力こぶの筋肉(上腕二頭筋)はもちろん疲れると思いますけど、なんていうか、肘の内側の上のスジみたいな筋肉がつりません? 気をつけの姿勢で手のひらを前に向けた状態(解剖学的正位)で、肘の前側外縁にくる筋肉です。これは腕橈骨筋ていって、親指を自分にむけた状態で肘を曲げるときに働く筋肉です。上腕二頭筋は、手のひらを自分にむけて肘を曲げるときに働きます。メントリのトレーニングはアームカールですが、ダンベルを縦にして、親指を自分にむけるようにアームカールすると腕橈骨筋を鍛えられます。10キロのダンベルで20回×3セット、伸ばした状態から完全に収縮した状態まで反動を使わずゆっくりとできればひとまず困りません。
クルーはリーチングでのスピントリム、ランニングでのパンピング、サイドジャイブ後のポール付け替え、 トラピーズタックなど、スキッパーと比べて使う筋肉が多様です。
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上に書いたことは最低限のことで、さらに体力があれば有利なのは間違いありません。
470は体力勝負の種目ではありませんが、これは体力が必要ないって意味じゃないです。470に必要十分な体力レベルは簡単に到達できるのでみんなそのレベルに達してしまい、必然的に体力面で差がつかなくなる結果、体力以外の技術でしか勝負が決まらないってことです。
ちょっとまじめにトレーニングすれば、朝から晩までド強風で乗り続けても、ほとんど疲れを感じなくなります。メントリ余裕、パンピングしても心拍数があがらないので、レース展開をクリアに考えられます。練習では何回沈してもまだまだ乗れます。疲れた顔を見せないと、コーチのやる気も倍増。長期の合宿でも疲れないので、練習後にばっちり勉強できます。遠征先の観光も楽しめます。
もうトレーニングしない手はないでしょう。
いったんトレーニングが習慣づくと、今までの努力が無に帰すのが怖くてやめられなくなります。またトレーニングをやめると身体がダルくて仕方ありません。さらにどんどんトレーニング内容をエスカレートしないと刺激が足りなくなります。トレーニング中毒です。
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参考までに自分のトレーニングメニューを書いときます。重量の一部はジムのマシーンの表示です。
1日目・・・腹筋10kg×20×3セット、足上げ腹筋20×2セット、横腹筋5kg×20×2セット×左右、背筋10kg×20×3セット、レッグエクステンション(スロートレーニング)、レッグカール、エアロバイク心拍数155で30分、縄跳び10分
2日目・・・ラットプルダウン80kg×15×3セット、ローイングマシーン80kg×15×3セット、リストカール、ベンチプレス、エアロバイク心拍数155で30分、縄跳び10分
3日目・・・クロール2km、アームカール13kg×18×6セット×左右(腕橈骨筋と上腕二頭筋をターゲットに、それぞれコントラクト、ミッドレンジ、ストレッチ)
以降繰り返し。
一回のトレーニングは60~90分です。
いろいろな用事でトレーニングできない日があるので、けっこう間隔があいちゃうこともあります。学校のジムを使って、平均週4日ぐらいトレーニングしてます。
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